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なぜうなぎの蒲焼きはこんなにも美味しいのか

うなぎの蒲焼きはうまい!!

日本人でうなぎの蒲焼きが大好物という方は多いのではないでしょうか。近年国産のうなぎが激減していることから、中国産のうなぎが流通しています。中国産でもかまわないからうなぎを食べたいという方もいるのではないでしょうか。今回は日本人がうなぎを好む理由、うなぎがこんなにも美味しい理由をお伝えしていきます。

うなぎは身近な食べもの

日本では江戸時代の頃からうなぎを食べる習慣があり、滋養強壮など夏バテ、疲れた時に食べるものでもあります。現在は世界のうなぎ70%以上を消費しているといわれているほど日本人は大好物なのです。平安時代の万葉集には夏バテにうなぎをすすめる歌があり、うなぎは夏に好まれる食材となっています。

うなぎには良質なタンパク質に加え、身体を元気にするビタミンなど、魚介類ではトップクラスの豊富な栄養素が含まれています。特に、免疫を高めて細菌やウイルスに対する抵抗力をつけるビタミンAと、糖質をエネルギーに変えて疲労からの回復を促するビタミンB1はうなぎ1食分で大人が必要な1日の摂取量が含まれています。抗酸化作用で血行を良くするビタミンEなども豊富です。

うなぎの蒲焼きの歴史

うなぎは、約5000年前の縄文遺跡の貝塚からもうなぎの骨が土出しています。それだけ昔から日本人には馴染みのある魚だという事がわかります。 平安時代にはうなぎを白蒸しして塩で食べていたと言われています。

蒲焼きが最初に登場したのは永禄6年、うなぎを筒切りして串をさして焼いて食べた形が蒲の穂に似ていた事からが蒲焼きと呼ばれるようになったそうです。(ただし、蒲焼きの由来は他にもあります)

江戸時代には醤油ベースのタレをつけて焼く蒲焼きが流行し、現在のようなフタをするうなぎ丼やうな重が一般的になったのは明治から大正時代にかけてと言われています。フタをするのは冷めにくくするという理由もあるそうです。うな重は東京のうなぎや、重箱という店がうな重を始め、それが高級感があり、体裁がいいというので他のお店もマネをして広がっていきました。

うなぎの蒲焼きがうまい理由

① 美しくさばく

切れ味の鋭い包丁で血糊もつけずに美しくさばかれたうなぎは、次の工程の素焼きでも白く仕上がります。これが逆に切れ味の悪い包丁で切ってしまうと血糊もベッタリ、焼くと黒くなってしまうのです。血糊のついたうなぎは焼くと身質の表面も凸凹になり余計な血糊が染み付いて焦げもつくので、焼いてもキレイな飴色になりません。蒲焼きを美味しく食べるためには、まずは包丁を研ぎ上げる訓練と、美しくさばくための訓練が必要なのです。

② 串打ち

プロの串打ちです。キレイにさばいた後に必要なのが串打ちです。生肝の入っていた腹身の部分は凹んでいますので、その部分を持ち上げるように竹串をさしていきます。大きさに応じて4本から9本ほどさします。この串の人指しで柔らかくなったり、固くなったりしますので正しく串をさす熟練の技が必要になります。

③ 焼き

1番大切な焼き。蒲焼きの仕上げの工程です。うなぎを何回も返し、タレをつけて炭火でじっくり焼くことによって焼き台の上で柔らかく蒸されたうなぎはとても美味しいうなぎになっていきます。この焼きや返しも熟練の技や経験が必要になっていきます。炭火の温度を感じ取ったり、必要な場所に必要な時間うなぎを置き焼きます。「焼きは一生」と言われるほど、うなぎの蒲焼きの味を左右します。

まとめ

うなぎをさばく、串をさす、うなぎを焼く、この3工程でうなぎの蒲焼きが出来るのですが、訓練をし、美味しいうなぎの蒲焼きになるのです。「串うち三年、割き八年、焼き一生」と言われるほどうなぎの蒲焼き。一口目を食べる際には、この言葉を思いながら食べたいですね。

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