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うなぎのタレは何故腐らないのか

 何故老舗のうなぎのタレは腐らないのか?

今回はなぜうなぎのタレは腐らないのか?についてご説明します。

うなぎの蒲焼には欠かせない香ばしくて甘いタレですが、老舗のうなぎやさんではそのお店独自の秘伝のタレを使用しています。このタレは創業当初から継ぎ足し継ぎ足しで何年も使用していますが、衛生的には大丈夫なのでしょうか。

低温殺菌されている

うなぎの蒲焼は、いったん焼いた熱々のうなぎにタレを浸し、もう一度焼いています。

この熱々のうなぎをタレにつけることで、タレは低温殺菌され菌の繁殖を防ぐことができるのです。

低温殺菌というのは「60℃から70℃程度で殺菌すること」です。定期的にタレを加熱して殺菌するという方法もありますが、これだとタレが煮詰まってしまい味が濃くなったりするため味が変化してしまいます

老舗店になればなるほど、お客さんが多いため1日に蒲焼を焼く頻度が高くなります。回数が多いほどこの低温殺菌の状態を持続させることができますし、うなぎをくぐらせるという作業はタレの中を攪拌させる効果もあります。

タレを攪拌させまんべんなく低温殺菌することによって、熟成された味を作りつつ腐敗をさせないようにしているのです。

塩分と糖分が濃い

蒲焼の甘辛いタレの中にはしっかりと塩分と糖分が入っています。

塩分や糖分は成分中に多く含まれると、細菌が活動するために必要となる水分が奪われるため、腐敗しにくくなると言われています。
保存食に塩や砂糖がたくさん使われているのも、菌の繁殖を防ぐためです。
野菜に塩を加えたお漬物、果物に砂糖を加えたジャムなども、塩分や糖分を効果的に使って保存性を高めた食品です。

塩分や糖分の細菌が繁殖しづらくなる目安というのは「塩分が10%以上、糖分が65%以上」だと言われています。
しかしうなぎのタレは「塩分が約8%、糖分が約25%程度」です。
繁殖を抑える程度の塩分と糖分はありますが、そのまま放置していると数日で腐ってしまいます。

そこでさきほどの低温殺菌をすることによって菌が繁殖しづらい環境を保っているのです。

継ぎ足すことで中身は入れ替わる

うなぎのたれはお店独自の配合のタレを継ぎ足し継ぎ足して何年も使用しています。

よく創業当時のタレを使用していますという老舗のお店がありますが、老舗のお店ほど1日に焼くうなぎが多く使用するタレも多いため、タレの入れ替わりも必然的に行われています。
100年以上使用しているとは言われているものの、継ぎ足しのタレは時間が経つと最初のタレはほとんど残っていないのです。
ですので、実際に古いタレが残っているというものではなく、長年継ぎ足されてきたうなぎのうまみや風味が残っている状態と言えます。

またタレを継ぎ足す際にも衛生面で注意を払っており、タレを入れる容器は都度消毒をしていたりして細心の注意を払いながら使い続けています。ただ継ぎ足しているだけではなく、お店側でしっかりとしたタレの管理も行っているのです。

ほとんど入れ替わってしまうのであれば、最初から新しいタレを使ってもいいのではないかと思いますが、この継ぎ足し継ぎ足しで使われているタレにはいくつかの意味があります。

継ぎ足して使うことによって今も昔も変わらない同じ味を提供でき、うなぎを漬け込むことでうなぎのうまみがタレの中にもでてくるため、うまみが濃縮され美味しいタレになるのです。

 まとめ

継ぎ足しのタレが腐らないのには理由があります。100年以上使われ続けているタレと聞くと衛生面で不安にはなってしまいますが、100年も前のタレはほぼ残っていません。また熱々のうなぎを浸すことにより低温殺菌もできています。
創業以来タレを継ぎ足して使っているというお店は、タレの管理も十分にできていて、安心して通えるお店だということが言えるのではないでしょうか。
美味しいうなぎを食べたくなったら、ぜひ継ぎ足しのタレを使ったお店を探して行ってみてください。

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